温泉王国・長野や新潟には、有名な温泉地の陰に隠れた、知る人ぞ知る名湯が無数に存在する。観光客より地元の人が多い。看板もSNS映えもしない。でもお湯は本物だ。そんな5か所を厳選して紹介したい。

1. 小谷温泉 山田旅館(長野)

白馬村の北、小谷村に佇む一軒宿。源泉かけ流しの単純硫黄泉は、無色透明ながら香り豊か。日帰り入浴600円で利用可能。周辺に観光施設はなく、温泉だけが目的の場所だ。それがいい。

2. 田沢温泉 有乳湯(長野)

上田市から車で30分ほどの山間。藤村の小説にも登場するこの温泉は、炭酸水素塩泉の「美人の湯」で知られる。共同湯・有乳湯の入浴料はわずか200円。地元のおじいちゃんたちがゆっくり話している、そんな場所だ。

200円で入れる本物の温泉が、まだ日本にはたくさんある。

3. 大塩温泉 河原の湯(新潟)

只見川沿い、河原に湧き出す無料の野湯。増水時は入れないため、事前に水位確認が必要。塩分濃度が高い塩化物泉で、保温効果抜群。雪解けの季節に訪れると、残雪と川の音の中で入浴できる。

4. 赤倉温泉 いさ美荘(新潟)

妙高高原の麓、赤倉スキー場に隣接する小さな温泉旅館。スキーシーズン以外は驚くほど空いている。重曹泉の柔らかい湯と、窓から見える山の景色が魅力。日帰り入浴500円。

5. 下部温泉(山梨)

富士川沿いに広がる静かな温泉地。武田信玄が傷の回復に利用したという伝説を持つ低温泉(30〜36℃)は、じっくりと時間をかけて温まる「低温浴」に向いている。都心から2時間で行ける穴場だ。

知名度がないことが、これらの温泉の価値でもある。静かに、ただそこにある名湯を、あなたにも体験してほしい。