東京から荒川を越えてすぐ、埼玉県戸田市。都心からのアクセスの良さに反して、ここに「生源泉かけ流し」の温泉があると聞いて半信半疑で向かった。天然戸田温泉 彩香の湯。JR埼京線の戸田駅・戸田公園駅から歩いて15分ほど、送迎バスも出ている立地だ。
茶褐色の湯と、まず驚いた泉質
浴室に入ってまず目を引くのが、湯船を満たす茶褐色の湯だ。泉質は塩化物ナトリウム泉で、弱アルカリ性。いわゆる「塩の湯」で、成分の濃さが色にそのまま出ている一方、弱アルカリらしいまろやかな肌あたりも感じる。加水・加温なしの生源泉をそのままかけ流しにしている槽があり、都内からのアクセスの近さを考えると相当に贅沢な部類に入る。
内湯には生源泉かけ流し風呂のほか、桧湯やジェットバスなどが並び、遠赤外線サウナも完備。露天風呂もあり、荒川沿いの住宅街にいることを忘れるくらい、ゆったりと湯めぐりができる構成になっている。
小さな壺湯が、いちばんの当たりだった
館内をひと通りまわって、結局いちばん長く浸かっていたのは露天にある壺湯だった。ひとりがようやく収まるくらいの小さな湯船なのだが、ここが源泉100%のかけ流し。加水も加温もない、正真正銘の生源泉がそのまま注がれている。
「壺湯が源泉100%掛け流しだった。壺湯は小さいけどね。40度ないので、ちょうどいい」

画像出典:天然戸田温泉 彩香の湯 公式サイト
湯温は40℃に届かないくらい。熱い風呂が続く中でこの壺湯だけはぬるめに設定されていて、長湯派にはありがたい温度だった。塩化物泉特有の重たいミネラル感がじんわりと肌に残る一方、ぬる湯だからこそ体を締め付けず、いつまでも浸かっていられる。他の湯船で温まってから最後にここへ戻る、という入り方が気持ちよかった。
昼寝スペースも充実
湯上がりに驚いたのが、休憩用の昼寝スペースの広さだ。館内にはごろりと横になれるスペースがしっかり確保されていて、湯疲れした体をそのまま横たえられる。都内から近いのに、遠出したときのような「湯上がりにゆっくりする」時間まで用意されているのはうれしい誤算だった。
アクセスと料金
入館料は大人1,100円(会員は900円)、小人550円。営業時間は10:00〜24:00で最終受付は23:00、年中無休というのも仕事帰りや休日のふらっと利用にはありがたい。館内には食事処もあり、湯上がりにそのまま一杯やることもできる。
荒川を渡ればもう都内という立地でありながら、加水加温なしの生源泉に浸かれる貴重な一湯。特にあの小さな壺湯は、熱い風呂が苦手な人にもぜひ試してほしい。次は平日の空いている時間帯に、もう一度あの壺湯でゆっくりしたい。
